Chatter.comをSIerと顧客間で試用してみた!

前回こっそり書いた「Chatter.comを試用してみた!」は人目に触れると思ってなかったので、わりと概要的なことしか書かなかった。
だが、実はもうちょい面白い使い方をしているので今回はそれを紹介しよう。


Salesforceでは東日本大震災の復興を目的とした利用に限り、ライセンスの90日間無償提供を行っている。
私の会社でもこういったお客様に対してSalesforceの構築をお手伝いをしているが、やはり普段のインプリ以上にスピードを求められるし、プロジェクトメンバーが東京や仙台に散らばっているので「毎週○曜日に定例会を・・」ということも行えない。


そこでChatterでコミュニケーションを取りながらインプリしてみた


以下はその中で気づいた点である。

よかったところ

☆スピード

Salesforceのインプリは1.要件確認 2.実装 3.顧客確認 4.改善のSTEPをいかに早く回して行けるかがポイントとなる。
これを顔合わせを前提として行うとすると、(軽微なものであればその場で実装も可能だが)基本的に少し時間がかかるものは自社に持ち帰って行うことになるので、1〜4までのSTEPは少なくとも数日はかかってしまう。

しかしChatterを使うことでこのサイクルをより短くすることが出来る。
お互いがログインしていればチャットのような勢いで、リアルタイムにコミュニケーションをとり、要件を確認したら「じゃあ、30分くらいで実装できるので、その後確認お願いします。」ということも可能だ。

そうすることで顧客としてもこちらが実装している間、別の作業をすることができ、お互いに時間を効率的に使うことができる。

☆ファイルの共有

通常であればメール等でやり取りすることになるで、何度も同じファイルをもらっているうちにローカル上で「どれが最新のファイルだっけ・・・」というのもよくあることだ。
Chatterのファイル共有を使えばバージョン管理もできるし、もちろんお客様との共有も簡単にできる。
これは非常に便利だ。

☆いいね!

Facebookでお馴染みの機能があるので、「○○の機能を実装しておきました。確認お願いします」なんてメッセージに「いいね!」が複数付いていたらモチベーションがモリモリ上昇!する。

☆課題管理

これは実際に使ったわけではなく「これやったら良かったな〜」というものだ。
ちょっとChatterの機能というよりはForce.comの機能に近いのだが、カスタムオブジェクトで「課題管理」を作成しておき、いつまでに、誰が、何を、どうするか、といったことを管理しておけば、Salesforce上で課題の管理ができる
また、Chatterではレコードをフォローすることもできるので、課題のステータスが変更した時にタイムラインにお知らせを流して周知も行える。

☆心の距離が縮まる

いや、気のせいかもしれない。
でもTwitterなどのSNSに慣れた人間であれば、冗談を飛ばしながらスムーズに活用することができるだろう。

課題点

★見てもらえたか分からない

メッセージに対して何も反応がないと、それを読んでもらえたかどうかが分からない。
まぁこれはメールでも同じなのだが、メールは必読するという暗黙の前提がお互いにあると思う。
しかしChatterにおいては読むつもりではいても、重要なメッセージがタイムラインの中に溺れてしまい、見逃してしまうこともある。
これについては「読んだら必ずコメントをつける」だったり、重要なものについてはメールや電話を使用するというルールが必要だろう。

★いろんな人から要望が出てひっちゃかめっちゃか

通常であればお客様の中で要件をまとめてからMTG等で出してもらうのだが、Chatterでは発言がしやすいせいかいろんな人からいろんな要件が出てくる。
単に要望が多いだけならまだしも、人によって言うことが違ってくるとどうしようもない。
これはChatter上で顧客グループを作成して(必要があれば非公開にして)その中であーだこーだ言ってもらい、そこでまとまった意見を原則として1人が出すようにしてもらうなどのルールを設けることが必要だ。


といった感じでChatterをSIerの立場としてお客様と使用してみたのだが、感触としては・・・いいね!である。
また、今後は課題管理などの導入向け機能をパッケージ化しておくことで、さらに利便性が高まると思う。

次回もチャンスがあればぜひ使ってみたい。